「ネコも歩けば・・・(酔中日記)」

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芭蕉記念館

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いつかはと思いつつ予定表の隅に放り込んだままにしていた「芭蕉記念館」
最近『芭蕉というう修羅』嵐山光三郎(新潮社)を読んで以来むくむく。
新宿から地下鉄都営新宿線で森下、新宿から下町まで一直線だなんて!
方向土地勘には自信あるつもりだったが、東京の路線図は×十年前のままアップデイトが間に合わない。

森下駅を出れば深川の町。
富岡八幡宮と木場、辰巳芸者の岡場所位しか浮かばない江戸の外れに伊賀の山中から出てきた芭蕉が何故居を構えたか?
若き水道工事技師としての実像を知るまでは不思議に思っていたが、隅田川の畔に立てば江戸時代の河川工事を思い浮かべ納得。

初見参の芭蕉館(入館料200円)展示コーナーには俳聖松尾芭蕉の生涯と深川芭蕉庵での活動、奥の細道旅立ち衣装などが展示されている。
企画展として<蕉門十哲・芭蕉の弟子ベスト10>高弟として名高い宝井其角や向井去来、芭蕉のスポンサー杉山杉風(さんぷう)等十人の作品や人物像が紹介されているが、やはり気になるのは奥の細道の同行者で隠密旅の実務面を仕切っていたといわれる河合曽良。
後に幕府の巡見使とし九州を巡検中に死んだ曽良の残した「曾良旅日記」の重要性。
曽良の役人の眼の側から奥の細道の旅を映像化したら・・・と夢想してみる。

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庭園に出ると芭蕉の句に読まれた草木が植えられ、築山には芭蕉庵を模した祠と句碑がある。
「古池や蛙飛びこむ水の音」
あまりに有名なこの一句も、嵐山のクソリアリズムに肯くわけではないが<蛙は池の上から音をたてて飛びこまない。音をたてずに水中に入る。音を立てるのは絶体絶命の時だけ。芭蕉が聴いた音は幻聴か観念・・・>
<瞬間のできごとをとらえつつ、句が動いていく。「見えないもの」を見るのが芭蕉・・・>

俳諧という共同体の文芸の世界で、心に修羅を抱えながら屹立する孤峰であり続けた芭蕉。
50歳の旅の途中で力尽きた天才にとって、旅とは何だったのかと改めて問いたくなる。
「此の道や行人なしに秋の暮れ」

もう一度西行に戻るしかないのか?
「吉野山こずゑの花を見し日より心は身にもそはずなりにき」






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# by kcat46 | 2017-10-14 10:20 | 観読聴 | Comments(0)

サントリーホール

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「AOKI」主催のコンサートで×十年ぶりのサントリーホール(新日本フィル・指揮:大友直人)
イントロはやっぱりパイプオルガンから、JSバッハフーガト短調「小フーガ」(オルガン:長井浩美)
前から五列目という自分ではとても買えない特等席、オルガンの響きが天井から降り注ぐ。

二曲目はちょっと苦手なシューマンの「ピアノ協奏曲イ短調」(ピアノ:伊藤恵)
子供の頃さんざん聴かされた「トロイメライ」のトラウマか、お行儀よくかしこまった感じが好きになれなかったが、生オケで聴くとその技巧的色彩もあまり気にならずなかなか。

休憩を挟んで本日メインベルリオーズ「幻想交響曲」何度も聞いたことあるが生はお初。
第一楽章から美しいメロディのイメージで幻想世界に曳きこまれ、第二、第三とヤク中のめくるめく世界に酔ううちに第四楽章。
断頭台への行進で世界が閉じたはずが、え、第五楽章?(知らなかった!)
オル無ガスの後のただただ疾走感、ラストスパート昇天とばかり。
音の洪水たっぷり浴びて疲労困憊、新宿からロマンスカーに乗り缶ビールでぐったりの夜。


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# by kcat46 | 2017-10-09 19:31 | 観読聴 | Comments(0)

ヤガラ

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箱根湯本で酒友Mと待ち合わせ。
須雲川沿いをポツポツ歩き「天成園」前の賑わいを離れ、階段登りで一汗かいて「箱根の湯」(1050円)
風呂上りに自販機の缶ビールと地酒(箱根街道)で喉潤し湯本駅まで戻り小田原へ。

17時過ぎの酒宵刻、一年ぶりに「うをげん」の暖簾分ければ眼に飛び込むは黒板の<ヤガラ刺身1200円>の文字。
何年ぶりだろう、ずいぶんのご無沙汰だ。
真鶴の雑魚料理専門店で初めて食して以来、なかなかお目にかかることはない。

海蛇を思わせる長い魚体に長い口吻をもった棒のような魚で、その形が矢の柄に似てるから「矢柄」
市場にもめったに出ず流通量が少ないため、なかなか鮮魚料理屋でもお目にかかることがない。
身は白身で味淡白、刺身、すしネタ、お吸い物、塩焼き何でも美味い高級魚だ。

たっぷり脂ののった鰯の酢〆に沖タカベの刺身、小烏賊煮つけなどの肴で酒すすめばあっという間に三合ルールで上りの椀物となる。

酒 :缶ビール、箱根街道(神奈川・大井町)、菊正(三合)、焼酎(蕎麦湯割)
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# by kcat46 | 2017-10-02 21:00 | 街を歩けば | Comments(0)

大相撲17・九月場所

四横綱のうち白鵬、稀勢の里、鶴竜の三人が休場、次の横綱候補大関高安まで休場という異常事態で始まる。
なんという場所だったろう、世代交代場所?

殊勲賞:貴景勝(21歳)敢闘賞: 阿武咲(21歳)朝乃山(23歳)
確かに若手力士の活躍が目立ったが、まだまだ信用できない。
途中休場の照ノ富士を含めれば上5人がいないところで若手の台頭もくそもないだろう。

どうしてこんな事態にと言えば、ジャーナリズムははっきり言わなだけで飲み屋のカウンターではとっくに結論は出ている。
2011年史上初の本場所中止まで追い込まれた八百長問題以来、相撲界で言われてきた「ガチンコ勝負」に尽きる。

「ホシの貸し借り」という同業仲間意識の中でたぶん怪我を防ぐのにも、地位陥落防止策としても機能していたのだろう。
近年モンゴル始め海外勢の「一旗上げる」必死な力士が増える中で、そんな互助会的意識が崩れていくのは当然のことだ。

「送り出し」「吊りだし」が減り「突き落とし」「すくい投げ」など土俵際のヤケクソ技が増えた。
(昔子供の頃大好きだった「打っちゃり」という技がほとんど見られなくなったのはたぶんまた別の話)

恵まれすぎた状況で縮上がってしまった豪栄道の蚤の心臓と、与えられたチャンスを逃さない日馬富士の勁さの差がなんとか千秋楽まで興味を繋いでくれたが、相撲界も「働き方改革」が必要に迫られているようだ。



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# by kcat46 | 2017-09-26 20:14 | 雑・etc | Comments(0)

穂高涸沢ラスト?

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朝4時過ぎO氏迎車Eさん、H氏メンバー4名=厚木IC=中央高速=松本=沢渡着7時半=上高地バスT(タクシー4200円)
久しぶりの上高地、河童橋から眺める穂高連峰はいつ見ても画になっている。
五十年前初めて同行した故人のO君が、五千尺旅館売店のジュークボックスで「しばらく下界とお別れだから」とかけた音楽タンゴ「碧空」のメロディが記憶の奥から蘇る。

明神を過ぎて明神岳のごつごつとした山容がお出迎え、ルート開拓で何日かテント生活した河原も昔のテン場見る影無し。
徳沢園(トイレ休)から横尾への道、新村橋辺りで猿の群れに出会う。
槍と穂高の交差点横尾着(11時頃)ココもテント生活の想い出残る場所。
昼食休憩後架け替えられ立派になった橋を渡り涸沢への道、前回(5年前)熊と出くわした笹薮を過ぎれば左手に屏風岩が大きく迫る。
ついつい岩壁のルートを眼で追いながらクライマーの姿を探す。

本谷橋からいよいよ本格的な登り始まり、寝不足の身には少々応える。
「落石注意」のデブリも整備され難なく通過、涸沢ヒュッテの赤い屋根が見えてくると森林限界点。
夏まで雪の残る沢沿いの道を喘ぎ喘ぎ最後の急登でヒュッテ到着(14時半)

受付済ませ(1泊2食9500円)個室風二段ベッドの部屋で一息後テラスのビヤガーデン。
穂高連峰を眺めながらの生ビールは苦労して歩いてきたご褒美。
険しい岩稜を我が庭としてきた若き日の無謀さを想い出しながら味わう人生の苦み。
ビールが地酒(岩波)に変わり夕暮れの風に秋を感じて続きは食堂の夕食。
さらに食後はベッドの傍荷揚げしてきた酒持ち寄り寝酒としつつ涸沢の夜が更ける。
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<二日目>5時起床朝食、トイレ等済ませ登山仕度。
小屋の壁に貼られた新聞記事「ザイテングラードで9月に三人死者」に怖れをなしヘルメットレンタル(1000円)
ヒュッテ発(6時半)~パノラマコース、整備された石畳の路を30分ほど登ると雪渓の向こうに前穂北尾根の特徴ある六峰を臨む。
懐かしの三峰フェイスもかろうじてガス越しに覗く。

路が右に曲がり始めると辺りはお花畑、夏の季節ならさぞやと思うが秋の声聞き始めた季節でも可憐な花がチラホラ揺れる。
涸沢小屋からの道と合流する辺りで低い雲降りてきて北尾根も見えなくなる。
ザイテングラード取付き、岩と這松と時々高山の花、鎖場、梯子等危険個所も無事過ぎ息荒くなる頃岩場に「奥穂小屋まで20分」の文字。

最後の一頑張りでようやく奥穂小屋前に出る。
小屋の横手から始まる奥穂高岳山頂へ続く長い梯子の路も、低く垂れこめた雲の中。
せっかくだからと挑戦する仲間を見送り小屋の中。
ストーブを囲みコーヒーと温かな蕎麦でまったり。(*小屋のフリーWIFI感度イマイチ)
やがて無事頂上を踏んできた仲間も戻り「思ったより怖かった!」

簡単な昼食済ませた後、降り始めた小雨の中カッパに身を固めて下山。
ポツポツ降ったり止んだりの中慎重にザイテンを下り、涸沢小屋のテラスから北尾根眺めながらビールの予定は天気不良でパス。
朝来たパノラマコースのルートで無事ヒュッテ着(14時頃)
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FM放送のDJで取材を兼ねて本日登って来る予定のHさん、未だ到着せずもう一泊と決め前日と同じ部屋。
「談話室」に席を移し名物のおでんに生ビールでとりあえず無事登頂を祝して乾杯。
Hさん何時に着くか賭けするうち窓の外に顔見せる。(15時過ぎ)
前日に続き岩波のお燗で盛り上がり17時夕食はワインで全員揃って乾杯。

<三日目>夜中に降りだした雨本降りの勢い。
朝食後Hさんの小屋主インタビュー終えるのを待ち、雨支度しっかりヒュッテを後にする。(7時頃)
所々小沢と化した山道をただひたすら下山、途中北穂の斜面を見上げると幾筋もの幻の瀧が出現。
遠い昔、北穂沢からの濁流に襲われ一晩中テントの中に立ち尽くしていたのを想い出す。

本谷橋も轟々と流れる沢水を見降ろし吊り橋を渡る。
雨に煙る屏風岩、山道横切る小沢も滝となり下半身濡れながら通過9時半時過ぎ無事横尾着。
一休み(トイレ)出発、11時前徳沢園、昼食兼ねたカレー饂飩美味!
雨小やみになり傘をたたむ頃上高地着。(13時半)
雲の中の穂高連峰にお別れ(多分今回が最後?)タクシーで沢渡駐車場
Oさんの車に乗り換え=「竜島温泉せせらぎの湯」(510円)へザブン!
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# by kcat46 | 2017-09-16 15:43 | 山を歩けば | Comments(0)

八海山ちょっぴり、

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酒に曳かれて越後湯沢参りも何度か出かけ、新潟にも行ったけどいつも通り過ぎるだけだった六日町。
初めての町並みと風景に気持ち昂ぶらせながら魚野川沿いの土手を散歩。
途中大橋脇の足湯に腰かけ、近くの八海山直売所で買った焼酎ハイボールをチビチビ。
眼前の坂戸山を眺めながらふと、「明日は、八海山に登ってみるか」

翌朝ロープウエイ駅まで送ってもらい、ロープウエイに乗ればほんの5~7分ほどで山頂駅(1147M)着(往復1800円)
十数ヵ所の鎖場が続く八ツ峰には往復六時間以上というから本気で登る準備と覚悟が必要だ。
今回は旅のついでの足慣らし、適当に行けるところまで行って帰ってくるつもりで歩き出す。
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ロープウエイ駅周辺の観光客の賑わいを背に山道に入れば、出だしから急な登り続きすぐに汗吹き出す。
夏の名残の暑さと前夜久しぶりに会った息子と飲み歩いた酒残り、やたら喉渇く。
路端の木に吊るされた熊避けの鐘や、煩く付きまとう虻にもやる気失わされる。
とりあえず六合目の女人堂辺りまでのつもりが、四合半の分かれ道を過ぎ八ツ峰の特異な稜線臨むあたりでダウン。
往復2時間ほどの偵察散歩(?)を終える。

眼下に広がる魚野川沿いの田園風景を眺めながら一休み、帰りのバスに合わせてロープウエイで下る。
12時半過ぎの電車で越後湯沢に戻り、駅ナカにある温泉酒風呂にザブン(タオル付・800円)
風呂上りには隣接のポン酒館で地酒の試飲(盃5杯500円)続きのお酒とツマミを買い込み新幹線で帰路に着く。
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# by kcat46 | 2017-09-02 15:13 | 山を歩けば | Comments(0)

かのフィルムは何処?

高校生になった孫娘が参加してるというので<第30回 全日本高校・大学ダンスフェスティバル>の録画を見る。(NHKEテレ)
最近の若者のダンスの巧さは承知していたが、演出力とテーマの意識レベルの高さに少々驚く。

高校の部「氷河・地球が泣いている」(文科大臣賞・二階堂高校ダンス部)あたりは素直に納得だが、「群鶏図・若冲が描いた生命」(帝塚山学院女子)「土蜘蛛妖怪圖・歌川国芳戯画の世界」(立教女学院)となると意欲的な蒼さに目が点となり。
大学の部、「胎動の時代~小林多喜二蟹工船より」(NHK賞・埼玉大)「空っぽの飼考・社畜が生きる現代を問う」(審査員賞・横浜国大)「女たちの狂詩曲」(文科大臣賞・御茶ノ水女子大)と続くプログラムの無謀すれすれのチャレンジ精神にただ喝采あるのみ。

自分の学生時代に経験した「全日本学生映画祭」というイベントをを思い出す。
東京や関西の大学映研が中心となって年に一度開催のイベントで、青臭さプンプン膨らみ切った妄想と観念の塊ごろんと放り出すような作品が多かった記憶。
よく言えば実験精神、技術的未熟さと肥大しきった観念がフィルムの中で危うく共存していた。

そういえば学生生活の最期に一度だけ、映画制作にチャレンジしたことがあった。
当時傾倒していた詩人入沢康夫の長編詩を映像化するという試みで、「冬の蝉」がモチーフだったような。

中学の同期生で法政大映研の部長だったO君を口説いて映研所有のBolex16ミリ撮影機を借り出し、雪の北八ヶ岳でロケを敢行した。
キャストも兼ねスタッフのメンバーは一年後輩のK君、当時の同級生で後に妻となったM、高校以来の山仲間S君、そして今は「映画芸術」編集主幹で高名なシナリオ作家となった荒井君の5名。
当時現場より理論派で映画製作に興味なかった彼がどういう経緯で参加することになったか忘れたが、吹雪の麦草峠で突然動かなくなってしまった姿が記憶に残っている。
夕闇迫る中メンバーの歩くよう促す言葉に耳を貸さず「もう俺は死んだっていいんだ」と、吹きつける風雪の中じっと蹲っていたシーンが甦る。

その後、あのフィルムはどうなったのか?
ロケの後待っていた編集作業の中で、現像代のやりくりから編集機のレンタル、音入れのスタジオ代・・・次々襲いかかる具体的難題にくたくたに疲れ果て、いつか余裕ができた時に再チャレンジと半分あきらめに似た気持ちでペンディングにした覚えがある。
その間実生活では大学から追い出され、アルバイトやら仕事の問題、結婚、子供の誕生、アパートから何度かの転居等続くうち、あのフィルムの事は曖昧な痛みと共に過ぎた想い出となっていった。

今思い出しても転居したどの時点まで16ミリフィルム缶と共にあったか思い出せない。
自分の青春の残滓と向かい合うことを避けているうちにいつのまにか「なかったこと」になってしまった思い出の一つ。




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# by kcat46 | 2017-08-26 19:31 | 思い出たどれば | Comments(0)

言の葉17・6

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「ひまはりのアンダルシアはとほけれどとほけれどあんだるしあのひまはり」(永井陽子

「もっと歳をとると(技術だけの)ずるい俳句を作るようになっていくだろう。そうならずにどれだけこらえられるか。俳句は嘘をつかないことに意味があると思うから」(北大路翼

「人生をふりかえる時、見えてくるのは深い影から曲がりくねってあらわれては消える細い道のようなものではないだろうか。道の大部分は見えない。過去を構築するために私たちが用いるのは、よく見えるところにとどまっているもの、つまり瞬間的な残像の寄せ集めなのだ」(「ありふれた祈り」ウイリアム・K・クルーガー)

「思いなやむことはない・また会える・ジュラ紀で・浅い川のほとりで」(「再生」阿部はるみ



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# by kcat46 | 2017-08-19 13:42 | 雑・etc | Comments(0)

「オール・チャイコフスキー」

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サマーミューザ@しんゆり(東京交響楽団 昭和音大テアトロ・ジーリオ・ショウワ)
前回(5月)<ロシア音楽への旅>の「ピアノ協奏曲1番」(指揮大友直人、ピアノ小川典子)から、今回は「ヴァイオリン協奏曲ニ長調」指揮山下一史、ヴァイオリン小林美恵

ケレンの極みのようなピアノ協奏曲に比べ、ヴァイオリンのせいか素直にチャイコフスキーのメランコリックなメロディーが入ってくる。
チャイコフスキーといえばどうしても『白鳥の湖』『くるみ割り人形』『眠れる森の美女』となり、バレー音楽の苦手な自分はなじめない感じがしていたが、最近はその甘さや大げさなケレンも含めてロシアの香りとして味わえるようになってきた。

休憩を挟んで三曲目「交響曲第5番ホ短調」は生で聴いたのは初めてだが、繰り返されるテーマが徐々に心地よく響いて来て、自分の中に眠っていたロシアに対する記憶や郷愁が呼び覚まされる。
ある時期、ロシア文学がロシア民謡がそしてロシア革命(『戦艦ポチョムキン』)が憧憬の対象であった世代の尻尾。

シベリア鉄道に乗ってヨーロッパへ旅することを夢見ていた高校時代。
ロシアの広大な大地の向こうにゴダール、トリュフォーのヌーヴェルヴァーグ、サルトル、カミュの実存主義・・・。
そしてポール・ニザン「ぼくは二十歳だった。それがひとの一生でいちばん美しい年齢だなどとだれにも言わせまい」(アデン・アラビア)
思いがけず青春の恥ずかしくも懐かしい気分に浸り酒を飲む。

酒 :生ビール、焼酎・ホッピー割



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# by kcat46 | 2017-08-11 10:52 | 観読聴 | Comments(1)

今年のゴーヤは

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我が家の日除け苦瓜が実をつけ始めた。
そのまま半分に割り焼いて味噌を漬けて食べたり、ゴーヤチャンプルーにしたり。

今年の新メニューは干しゴーヤ
適当に輪切りにしたゴーヤを半日干して生乾きのはパスタや素麺の具にしたり、味噌汁の実にしても出汁が出て美味。
カラカラになるまでまで干したのはそのまま齧ると、種がカリッといい食感でビールのツマミにぴったり。
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夏のエキスのような苦さを味わいながら、やがてビールから焼酎割りとなる夏の夕暮れ。

酒: 缶ビール(糖質ゼロ・2)、芋焼酎・ロック、麦茶割

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# by kcat46 | 2017-08-06 11:10 | 雑・etc | Comments(0)

高野山~京都

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ホテル発8時=地下鉄難波駅・南海高野線8:40発特急高野=ケーブルカー=高野山駅10時過ぎ着(電車往復、バスフリー乗車券3400円)

途中九度山通過で真田幸村の名が浮かび、子供の頃読んだ「真田十勇士」の漫画を想い出す。
秋田書店かどこかシリーズで読んだ記憶。
権力者信長、秀吉への違和感と「国家安康」の鐘から始まる家康のずる賢い知恵への反感・・・。

反して負け戦大阪城夏冬の陣に集結する浪人たちへの幼い共感、後の東大、日大等学園闘争の先駆けだったのか?
自分のメンタリティーの成立過程想い起こしつつ、旅をすることは見知らぬ土地への興味や関心よりも、忘れていた記憶を辿る旅への刺激剤になってきたと思う。

弘法大師眠る高野山奥の院に参詣、杉並木の参道に並ぶ有名大名の墓碑に降る蝉の声激し。
「生まるるも 死ぬるも一夢 天の川」(美枝)句碑
金剛峯寺に廻りバスで=高野山駅(12:30)とりあえず、気になっていた一つを潰した感じ。
欧米系ガイジン客の目立つ電車で大阪へ戻る。
(大阪はアジア系、高野山は欧米系、京都になるとちょうど混ざった感じか?)

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新今宮=環状線・大阪=京都(15時過ぎ)=地下鉄烏丸五条「スーパーホテル・烏丸五条」(朝食付5500円)
宿から五条通りを東へ徒歩15分鴨川渡り建仁寺手前の角に建つ懐かしさ感じる「大黒湯」(430円)
電気風呂、腰掛けジェット風呂、深風呂、浅風呂、薬湯にサウナという典型的銭湯の構成。

奈良の銭湯にも当然のように電気風呂があったが、いまだに残っているのは関西人が好きだからなのか?
「高血圧、糖尿病、てんかん、心臓病等持病のある方はご遠慮・・・」
注意書きを読めば、周囲の客層からみても安心して入れる客は少ないと、余計な心配。

風呂上りの露地、宮川町の花街近く舞妓さんの出勤風景など横目に鴨川の河原から四条の喧騒へ。
祇園祭の後宮の故か浴衣姿の目立つ通り、錦小路の前には神輿の掛け声が夕暮れの空気騒がす。
河原町の「京極スタンド」店内、膝送りで空けてもらった席、とりあえずの生ビールとキズシで喉湿す。
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軽く酔いのまわったところで五条烏丸に戻り「蕎麦の実・よしむら」
鱧の落しや蕎麦味噌、〆の蕎麦で日本酒少々飲み過ぎ血糖値アップ?

朝方の雨上がりムシムシとした朝、9時過ぎホテルを出てバスで北野天満宮。
七夕祭りの賑わいの中、孫の合格祈願のお守りいただく。
関西弁の飛び交う祭の境内、猿回しやら古着のセリ市等屋台冷やかし上七軒方面へ。

昔ながらの家並み残る狭い露地を、「18メートル先左折です」スマホのグーグルマップの引率で30分ほどで船岡山公園到着。
応仁の乱の要衝として東軍西軍の争奪戦となった山上に登れば100Mそこそこの頂きながら眼下に京の眺め広がる。
山の中腹織田信長の眠る建勲神社から降りて船岡温泉へ。
15時開業とのことだが、まだ12時過ぎどうしようかと目の前の店でとりあえずのビール。
人参のシリシリなどで飲むうち温泉は次の機会と決め鞍馬口通りからバスで京都駅。
続きの酒と肴等買いこみ新幹線で帰路に着く。
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酒 :生ビール、月桂冠・樽、澤屋まつもと、英勲(京都)春鹿(奈良)、オリオンビール(缶)、泡盛(ロック)、缶酎ハイ









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# by kcat46 | 2017-07-31 11:00 | 遠くへふらふら | Comments(0)

バベルの塔から、

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東京で見逃した『バベルの塔・ブリューゲル展』(1500円)を見に大阪へ。
マイクルコナリーのボッシュシリーズ愛読者としていつかは見たかったヒエロニムス・ボス(ボッシュ)と同時開催とあっては見逃せじ。
小田原発10時過ぎの新幹線・ひかりで新大阪から地下鉄に乗り換え中之島の<国際国立美術館>着13時頃

初の館内足踏み入ればまずはボスの『放浪の旅人(放蕩息子)』( 1500~10年頃)がお出迎え。
ウ~ン、何と表現していいのか、天才の描いた便所の落書き?
「地獄と怪物の画家」とか「無意識の世界をあばく画家」とも評される<現実には存在しない奇想の世界>のリアルさ。
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迷宮に迷い込んだような気分で見て回りそして最後に待っているのがブリューゲルの大作「バベルの塔」
地平線まで見渡す風景の中聳え立つ巨大な塔、その建設現場。
微細に描かれた米粒のような人々と、天空に突き立つ塔の重量感が圧倒的に迫ってくる。
やはり大阪まで来てみる価値があったと納得。

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絵画のもつ時間(時代)を超える力について考えながら、地下鉄で天王寺駅。
今夜の宿「スーパーホテル・天王寺」にチェックイン(温泉、朝食付6800円)
シャワーで汗流し天王寺のネオン街。
去る若き日高校野球の取材で箕島を訪ねた時の帰りに何度か訪れたことがあったが、今はアベノハルカスで大変身。
大阪名物タコ焼き、お好み焼き、串揚げ等粉もの店を潜り抜け見つけた飲み屋のカウンター、鯖の炙りや鯨のオバケで酒。
酔いが回ればあれはバベルか、ハルカスか、えっ、ツーテンカク?

酒 : 缶ビール、生ビール、東洋美人(山口)、立山(富山)芋焼酎



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# by kcat46 | 2017-07-29 18:48 | 遠くへふらふら | Comments(3)

声明



夏の暑さにじっと耐え、蝉時雨を思わせる和声の極に身をゆだねる。
ライブで聴いたら岩に沁みいることが出来るだろうか?

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# by kcat46 | 2017-07-22 09:26 | 観読聴 | Comments(0)

ビデオ屋消失

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近所でいつも利用しているビデオ屋・TUTAYAが閉店した。
わが街でも最初の時期に開店、その後あちらこちらに次々とビデオ屋開店全盛期から、あっという間に季節は巡り、ふと気がつけばわが街からビデオ屋が消えていた。
飲み屋のカウンターなどで、昔伊勢原の町にも映画館が何軒もあってと地元の古老から聞かされたが、ビデオ屋よおまえもか。

そういえば、この二、三年の間に行きつけの酒場が次々と消えていった。
「バケラッタ」「とんとん」「つづみの里」「豆穂」「呑者屋」

代わりに新たな店がテリトリーに加われば健全な新陳代謝というやつだが、すでにアルコール漬けの酔っぱらい爺さんにそんな元気はない。
「限界集落」という言葉が浮かび「消滅可能性都市」というSFチックな単語が背筋を撫でる。
人生に年齢がある如く、街にもまた・・・。

最後に借りたDVDは『ナイト・オンザ・プラネット』(監督:ジム・ジャームッシュ)


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# by kcat46 | 2017-07-16 19:36 | 近所をブラブラ | Comments(0)

サスペンス17・前半

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「生か死か」マイケル・ロボサム(ハヤカワミステリー)
現金輸送車襲撃事件で十年の刑に服役していた男、明日は刑期満了という脱獄を図る、いったい何故?
ミステリーとラブストーリー両方の要素を兼ね備えた傑作。
「風邪をひくように恋をして、嵐の漂流物のようにそれにしがみつく」

「ハリー・クバート事件」ジョエル・ディケール(創元推理文庫)
少女殺しの嫌疑をかけられた恩師ハリーの無実を証明するため調査に乗り出す新進作家のマーカス。
純愛というストレートなテーマ性など娯楽作品として一級。
「作家の資質とはいい文章を書けるかどうかじゃない。自分の人生に意味を与えられるかどうかだ」

「ささやかな手記」サンドリーヌ・コレット(ハヤカワミステリー)
フランスの片田舎、ひょんなことから監禁され、奴隷の身分となった男。
「踏みにじられ、砕け散った魂の奥底に、たった一人で取り残されている」じわじわむしばまれていく精神の記録。

「証言拒否」マイクル・コナリー(講談社文庫)
リンカーン弁護士シリーズ。
裁判劇特有の法律用語、法的手続きのあれこれなど読み進むのが面倒だが、プロットの巧さは流石。

「その罪のゆくえ」リサ・バランタイン(ハヤカワ文庫)
ロンドンで起きた8歳の少年の殺人事件。被疑者として拘束された11歳の少年セバスチャンの弁護を依頼された弁護士ダニエル。
「喪失の重さを秤にかけるべきではない」

「もう過去はいらない」ダニエル・フリードマン(創元推理文庫)
88歳のメンフィス署元刑事バック・シャッツシリーズ二作目。
妻と共に介護付き施設でリハビリに励むシャッツ、ユダヤ人という血と強制収容所の記憶。
「自分が持っていたものはすべてやがて失うものだった。息子、家、自由に動くこと。頭と心」

「ザ・カルテル」ドン・ウィンズロウ(角川文庫)
米国メキシコ国境を舞台に、繰り広げられる血で血を洗う麻薬戦争の歴史。
暴力と不正に対する圧倒的な怒りに打ちのめされる。21世紀クライム・サーガの代表作。

「スキン・コレクター」ジェフリー・ディーヴァー(文芸春秋)
NYの地下に広がる地下道での連続殺人事件。
腹部に謎の文字を毒物で彫り毒殺するという手口。緻密な伏線、二重三重に擬装された謎。

「夏の翳り」ジョイス・メイナード(ハーパーBOOKS)
70年代後半のカリフォルニアを舞台に、連続殺人鬼と対決することになった姉妹の夏の出来事。
リリシズムで奏でられる少女達の記憶。

「ノア・P・シングルトンの告白」エリザベス・L・シルヴァー(ハヤカワ文庫)
ペンシルヴァニア女子刑務所で死刑囚として服役中の35歳の女ノア。
「異色のアンチヒロイン」死刑という問題。

「虎狼」モー・ヘイダー(ハヤカワノベル)
村はずれの豪邸に警察官を擬装した二人の男が住人の夫婦と娘を襲い邸内に拘禁。
ラストのどんでん返しまで連続するあざとさこそ『サスペンスの新女王』(?)

「無実」ジョン・コラピント(ハヤカワ文庫)
幼児性愛、近親相姦というアメリカでもタブーの問題を扱いながら、不快感なしに読めるのは主人公始め登場人物の内面が丁寧に描かれているからだろう。

「ウィンター家の少女」キャロル・オコンネル(創元推理文庫)
「善悪の境界線を踏み越えて戦うヒロイン」NY市警刑事キャシー・マロリーシリーズ。
過去と現在二つの事件の真相は?謎解きミステリー
「狂った人間は正気の人間を狂わせる」

「ドライ・ボーンズ」トム・ボウマン(ハヤカワ文庫)
アメリカ北東部の田舎町、狩猟場と深い森の間には覚醒剤の密造所が点在し、シェールガス掘削業者の進出で荒廃していく人々の心。
「カントリー・ノワール」

「終わりなき道」ジョン・ハント(ハヤカワミステリー)
多彩な登場人物、それぞれが抱えた心の闇、過去の疵。
狂気という動機、愚かな犯罪と無意味な死を、圧倒的筆力で描き切った力技。

「アックスマンのジャズ」レイ・セレスティン(ハヤカワミステリー)
1919年のニューオリンズが舞台。斧を使って殺人を繰り返すアックスマンと呼ばれる殺人鬼。
実際に起きた未解決事件がベースということだが、時代の空気感がよく描かれている。
「人間は心の穴ってやつが苦手だ。心に穴を見つけると必ず埋めようとし始める」

「インヴィジブル・シティ」ジュリア・ダール(ハヤカワ文庫)
ニューヨークのブルックリンにある廃材置き場で、クレーンの先端から吊るされた全裸の女性死体が発見される。
事件の背景にはユダヤ人コミュニティの閉鎖性と文化、そして信仰という問題。

「人形(ひとがた)」モー・ヘイダー(ハヤカワミステリー)
犯罪歴のある患者を収容する重警備医療施設で起きた謎の亡霊”ザ・モード”騒ぎと死亡事件。
一方、重大犯罪捜査隊のキャフェリー警部は一年半前に起きた少女の失踪事件である難題を抱えていた・・・。


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# by kcat46 | 2017-07-06 20:16 | 観読聴 | Comments(0)

検査結果17.6

基準値超えは、総コレステロール(236)、LDLコレステ(153)、血糖(155)、HbA1c(6.8)
可もなく不可もなくなんとか・・・。
かくして、もうしばらく酒と××の日々が続く。

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帰りに自転車屋の表の露台に破竹(ハチク)を見つけ晩酌の肴(アテ)とする。

酒: 発泡酒(糖質0)2、酔鯨(高知)、焼酎・麦茶割

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# by kcat46 | 2017-07-01 09:52 | 雑・etc | Comments(0)

投手戦

先日テレビ観戦したメジャーリーグ、ヤンキース田中将大対レンジャーズダルビッシュ有戦。
ダルビッシュ七回2安打10K、田中八回3安打9K。
「息詰まるような」という表現が似合う久しぶりの投手戦だった。

打撃戦がどこかおおらかなオリンポス的肉体の謳歌に反し、エース同士の一点も許されない投げ合いは、スピリチュアルな精神の戦いを感じさせる。
いつものながら視聴から、回が進むにつれテレビに正座して観戦するうち野球の音の記憶が甦る。

ピッチャーがゆっくりとモーションを振りかぶるにつれ、それまで飛び交っていたスタンドのヤジやざわめきが潮のように引いていき、球場全体を包む静寂の瞬間(とき)、あの一瞬の緊張と空白こそが野球という世界に魅せられた幸福な時間だったと思う。
小野投手の剛速球がミットに響かせるパーンという渇いた響き、山内の巻き込むような打球音からレフトスタンドに跳ねる白球の残響、そして榎本の居合抜きのように切り裂く音はスタンドで見つめる少年の耳に確かに聞こえたのだ。

野球場へ行かなくなったのは、絶え間ない太鼓やラッパ吹き鳴らす応援スタイルが定着してからだ。
やっぱり生の野球を見たい、音を感じたい。
もうすぐ、高校野球の県大会が幕を開ける。

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# by kcat46 | 2017-06-27 19:34 | 雑・etc | Comments(0)

Pocoライブ17・6


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伊勢原のカフェバー「POcoaPoco」のジャズライブ。
出演は木崎二郎(pf)小林新作(bs)柳川達夫(ds)のトリオにゲストで市川海容(sx)とヴォーカルは地元の沢田千果

イントロの「モリタート」(匕首マック)で始まり、沢田千果の「スワンダフル」で歌い上がるステージ。
ベテランの味を感じさせる演奏と、ゆったりくつろげるナンバーに特に文句はないのだが。
う~ン、なんか物足りない。

いつも小さなスポットライブで思う事、ジャズは聴く者より演奏する側にある。
圧倒的な音の世界にどっぷり浸るオーケストラのコンサートと違い、ほとんど内輪感覚の世界。
境界線を飛び越えるにはアルコールの助けが必要だ。

最近話題になった山下洋輔のバリケード内ライブの興奮と比べるべきもないが、やっぱりジャズは何処へ行くのだろうかと考えてしまう。
ジャズ修行のためニューヨークやニューオリンズに出かけて帰ってきた若きジャズマンの言葉を想い出す。
「ジャズの本場なんかもう何処にもないんですよ」
それでもなお、
いつでもライブを聴ける場がテリトリーの中にあるのはいいことだと思うのだ。
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酒 :缶ビール(発泡酒)、焼酎・梅割り、ハイボール(バーボン)


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# by kcat46 | 2017-06-20 20:08 | 観読聴 | Comments(1)

歌と句と17.6

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「今日もまた前回までのあらすじを生きてるみたい 雨が止まない」
「しゅわしゅわとバイキンの死ぬ音が好き漂白剤にこころを浸す」
「わたしからはみ出したくて真夜中にじわりじわりと伸びてゆく爪」
      (鈴木美紀子『風のアンダースタディ』)

「青嵐<良い人>なんて脱ぎ捨てよ」(青森弘前高校・吉沢美香)
「熟れてゆく力に揺るる林檎かな」(京都洛南高・柳澤悠祐)
「フクシマよ埋めても埋めても葱匂う」(福島西高・野村モモ)

「『わたしは人間の終焉を信じない』と演説したウイリアム・フォークナーと、『わたしは世界をくまなく歩いたが、何の意味も感じなかった。世界に意味はない、ただ、世界は存在するだけだ』とインタビューに答えたクロード・シモンのあいだの、あきらかに追い求める小説はたがいに似ていながら、ふたりの世界へのまなざしのへだたりはいったいなんなのか」
(『悲しみと無のあいだ』青来有一)


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# by kcat46 | 2017-06-15 14:51 | 雑・etc | Comments(0)

シナリオ塾

地元図書館主催のシナリオワークショップ終了後、創作意欲ある有志が居残り的に始まった月イチのシナリオ塾。
伊勢原駅前のファミレスを教室に、夕方5時生ビールなどチビチビやりながら各自持参したシナリオ、形にならないアイデアに意見をいい、添削講評し、アドヴァイスする。
飲み食い代金は自己責任、シナリオをネタに晩酌の相手してもらってるだけかも?

先日の三回目は東海大で文芸創作を教えているM先生が、『ルパン三世』の大ファンで自分でもシナリオを書いているというゼミの教え子を連れて飛び入り参加。
卒業後アニメの制作会社に就職が内定しているというY君に問われるまま、業界のことや、ルパン三世制作の裏話等想い出しつつ話す。

以前少年野球の教え子もシナリオ作家を目指したいと訪ねてきたことがあったが、どんな映画が好きかと聞いても出てくるのはアニメばかりだったのを想い出す。
シナリオ作家を志すなら最低の基礎教養として見ておくべき映画のタイトルを上げておいたが、その後どうしているだろうか・・・。

酔いが回るにつれついついM先生専門の三島由紀夫の話題から、
雑誌『映画芸術』での三島由紀夫対談について、戦後民主主義と天皇制、三島と太宰、大江健三郎、吉本隆明、文学の有効性、そして東大全共闘と三島から、早稲田バリケード封鎖内での山下洋輔ジャズライブ・・・。
M先生相手に話しはあっちに跳んだりこっちに転んだり、ふと気がつけばいつもは缶酎ハイ二杯で上りとなるところ余分にもう二杯(?)



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# by kcat46 | 2017-06-08 14:38 | 近所をブラブラ | Comments(0)