2017年 06月 27日
投手戦
先日テレビ観戦したメジャーリーグ、ヤンキース田中将大対レンジャーズダルビッシュ有戦。
ダルビッシュ七回2安打10K、田中八回3安打9K。
「息詰まるような」という表現が似合う久しぶりの投手戦だった。
打撃戦がどこかおおらかなオリンポス的肉体の謳歌に反し、エース同士の一点も許されない投げ合いは、スピリチュアルな精神の戦いを感じさせる。
いつものながら視聴から、回が進むにつれテレビに正座して観戦するうち野球の音の記憶が甦る。
ピッチャーがゆっくりとモーションを振りかぶるにつれ、それまで飛び交っていたスタンドのヤジやざわめきが潮のように引いていき、球場全体を包む静寂の瞬間(とき)、あの一瞬の緊張と空白こそが野球という世界に魅せられた幸福な時間だったと思う。
小野投手の剛速球がミットに響かせるパーンという渇いた響き、山内の巻き込むような打球音からレフトスタンドに跳ねる白球の残響、そして榎本の居合抜きのように切り裂く音はスタンドで見つめる少年の耳に確かに聞こえたのだ。
野球場へ行かなくなったのは、絶え間ない太鼓やラッパ吹き鳴らす応援スタイルが定着してからだ。
やっぱり生の野球を見たい、音を感じたい。
もうすぐ、高校野球の県大会が幕を開ける。
by kcat46
| 2017-06-27 19:34
| 雑・etc
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