「ネコも歩けば・・・(酔中日記)」

drunkcat.exblog.jp

シブヤ、遥か

a0007196_20173866.jpg
今は亡き友星山博之さんがアニメの脚本功労賞受賞を祝う会で久々に東京へ。
JIMを早めに上がり本厚木からロマンスカー、とりあえずの缶ビールちびちび。
新宿から渋谷に出て宮益坂の会場へ向かうが、駅を出たとたん周囲の風景にハテ?

道路の上を走る地下鉄は地下に潜り東急文化会館への連絡通路も無し、ヒカリエだか何だか適当に見当つけて歩き出すがあれ仁丹ビルはどこ?
馬券デビューのシブヤ場外、天井桟敷から渋谷警察、昔の記憶頼りに彷徨ううち、ここは何処?

ようよう辿り着いたスペイン酒場、酸素吸入器お供の大先輩I氏始めぽつぽつと昔懐かしき顔触れ集い故人を偲び乾杯。
亡くなって10年以上経て今更と思わないでもないが、寂しがり屋が寂しがり屋をよぶ習いと思へばまた佳し。
こんな風に集う機会もそろそろかなと思いつつ、記憶の在庫整理始まる。
忘れ始めていた記憶、そっと奥にしまっておいた思い出幾つか取り出し、埃パタパタ酒の肴とする。

奥さんには会えなかったが立派なママとなった娘さんたちに挨拶する。
酔えば「自分は家庭人失格の男」と無頼を気取っていたが、もしも孫を抱いたらどんな顔をするのだろうとやっぱり見てみたかったと思う。

「煤、雪にまじりて振れりわれら生きわれらに似たる子をのこすのみ」(塚本邦雄 )

酔いにまかせて帰り道、十円ニュースで時間つぶした東急ニュース、授業さぼったO君がモーニングサービスのトースト齧りながら読んでいたライ麦畑「チャンテック」
恋文横丁から百軒店、路地から露地迷路のような街を歩くのが好きだった。
ダンモの「ディグ」「ありんこ」「デュエット」スマートボール並ぶ「マイアミ」「カーネギーホール」アダモの歌声シャンソン喫茶「ジロー」

わが追憶の渋谷マップは期限切れ。もう上書きはできない。
帰路のロマンスカー思い出ほじくり返しながら、自分もそろそろかなと。

https://drunkcat.exblog.jp/5117422/

[PR]
# by kcat46 | 2018-04-18 20:20 | 街を歩けば | Comments(0)

シナリオ塾・課題

図書館のシナリオ講座終了後、もう少し学びたいという有志が集まって始まった塾。

月に一度駅前の「サイゼリヤ」で生ビール等ちびちびやりながらそれぞれ持参の作品(プロット)を添削、感想アドヴァイスする。

いつまで続くかと思ったら一年を過ぎ、プロット作りの段階からそろそろシナリオ作業にステップアップさせたいと思いつつ。

身辺整理の際に出てきた旧いシノプシスを見つけた。

記憶ではウディ・アレンの映画『ラジオデイズ』を見て自分なら当然テレビデイズになるとアイデアを練り、二時間ドラマ向けに作ったもの。

酒席では「面白そうだ」と乗ってくれた局プロだが一読後「これは無理だな」とあっさり言われた。

理由ははっきりしている、中に出てくる実際のドラマや番組の著作権問題。

かといって架空の作品にしたら意味がなくあきらめるしかなかったモノ。

今の塾生達にとっては「時代劇」だが、とりえずシナリオ化に挑戦してもらうこととする。

さて、どうなりますか?


『テレビDAYS・夢見る頃を過ぎても』

 

大阪近郊の下町に<万福食堂>という小汚い店があった。

その店の次男坊西山伸二(11歳・小6)が主人公。

1960年頃のある日、伸二と西山家の人々、そして近所の父ちゃん、母ちゃんが見守る中電器屋のオート三輪がやって来る。

その荷台に鎮座するのはテレビセットの箱、<万福食堂>にテレビがやって来た日。

そして伸二の、夢見る日々が始まった・・・。

           〇

テレビのおかげで<万福食堂>は大繁盛

『スーパーマン』『名犬ラッシー』『私の秘密』『お笑い三人組』etc

テレビ見たさに客が詰めかけ、中でも一番の呼び物は『プロレス中継』

伸二は客の整理係やタダ見客を追い払う係をやらされるが、テレビに夢中で親父の空手チョップが飛ぶ。

流血の乱闘に興奮した客が倒れ、救急車を呼ぶ騒ぎもあった。

           〇

<万福食堂>の家族はー

『パパは何でも知っている』はずの親父は阪神タイガース応援団長で、タイガースが負けると伸二の頭に当たり散らす。

『うちのママは世界一』の母ちゃんは、年中口うるさい大阪のおばはん。

そして色気盛りの兄浩一(中2)とテレビが大好きなチャンネル係の祖父、四国から集団就職でやって来た女店員食い盛りの康代(18歳)という顔触れ。

遊び仲間で一番の親友が豆腐屋のキヨシ

「ローレン、ローレン・・・」と『ローハイド』ごっこで近所の猫を牛に見立ててムチで追い回し、公園でいちゃつくアベックに仮面の忍者赤影となって2B弾を投げつけたり。

           〇

毎日鏡と睨めっこの兄貴と違って全く洒落っ気もなかった伸二だが、最近なぜか気になる女の子ができた。

ちょっと頭の弱い弟ツヨシ(小2)を連れて毎日のように定食を食べにくる同級生の純子。

純子の母親はバーのホステスで、父親は殺人の罪を犯し刑務所暮らしの極道者という噂。

そのせいか、顔は可愛くても、学校でも街でもいつも一人ぼっちで弟と一緒。

ある日、ひょんなことから伸二は悪ガキにいじめられていたツヨシを助けてやった。

それ以来、ツヨシは「ローンレンジャー」と伸二を慕って付きまとい、純子からも頼もしげに見つめられ・・・。

そしてある日、純子と二人きりになった時、

「ちょっとだけなら、触ってもいいんよ」と、伸二の手を膨らみ始めた自分の胸に導いて。

ガキの伸二が性に目覚めた日であった。

           〇

本物の事件発生。純子の母親が痴情のもつれから刺し、逃亡する。

『事件記者』ごっこで盛り上がるキヨシたちだが、伸二はいつになく憂かぬ顔。

純子の気持ちを思うとみんなと一緒に騒ぐ気持ちになれない。

そして母親は、純子とツヨシが待つアパートに戻ってきたところを警察に逮捕される。

残された純子とツヨシは養護施設に引き取られることになった。

逃げるように街を去る姉と弟を、物陰で待っていた伸二が言う。

「いつか俺が有名になって、テレビに出たらきっと見てくれよ!」

その夜、伸二はすっかり坂本九になりきって『上を向いて歩こう』を歌いながら町をさまよった。「涙がこぼれないように・・・」

           〇

中学、高校と進んでも伸二のテレビ狂いと夢想癖には拍車がかかるばかり。

「いつかプロ野球選手になってタイガースに入る」夢は中学三年間の球拾いと補欠生活で挫折、今度はエレキバンドを組んでテレビのバンド合戦に挑戦するが、予選であっさり敗退。

高校を卒業したら「吉本に入って芸人になる」と決意するが、「アホは他人様の前でやらんでええ」と両親にどつかれて終わる。

(兄貴が大学に進学、店を継ぐのは伸二しかいない)

結局親に説得され大阪の料理学校に入り、料理人となる道へ・・・。

           〇

時は1970年。伸二20歳。

自動車修理工場で働きながらプロボクサーを目指すキヨシと万博見物に出かける。

万博会場では誰かが太陽の塔を占拠したらしいと機動隊の出る騒ぎ。

野次馬に混じって上を見上げた伸二はびっくり「あれはもしかして・・・!?」

それは純子の弟ツヨシだった。(見慣れたお得意のポーズで判る)

伸二が名を呼ぶとツヨシも気づき「ローンレンジャー!」と叫び空中に跳んだ。

幸い準備中の救命マットの上に落下、怪我だけで済み、病院に駆け付けた純子と伸二は何年ぶりの再会となる。

           〇

伸二と純子の仲復活。

養護施設を出た後、弟を抱えて苦労した純子は母親と同じホステスになっていた。

(出所した父親が時々金の無心に来たり、ヒモのような男に付きまとわれたり)

男女の仲となった後男のことを打ち明けられ、ヒーローとなって純子を救うことを夢見るが現実は厳しい。

いざ男の前に出ると「なんや兄ちゃん?」男に射すくめられ

「わしは純子のおっぱいを最初にもんだ男や!」と言い返すのが精いっぱい、ボコボコにされ「テレビのドラマとは違うんよ」純子に慰められる始末。

「勝負はこれからや、一緒に東京へ行ってやり直そう!」

           〇

その日、伸二は旅支度をして大阪駅の待合室にいた。

純子と東京へ行こうと約束、待ち合わせたのだ。

だが、いつまでたっても純子は来ない。

待合室のテレビにはあさま山荘事件の中継がずっと流れていた。

やっとつながった電話に出た純子はやはり東京へは一緒に行けないという。

傍には出所したばかりの母親が上手そうにタバコを吸っていた。

「夢を見るのはもうとっくにやめたから・・・」という純子に

「タイガースだっていつか優勝するんや、その時が来たらもう一度会ってくれるか!」

そう約束させて伸二は旅立って行った。

            〇

数年後、伸二は東京のレストランで働いていた。

店の常連客に芸能人がいて、伸二のモノマネの才能を買ってくれた。

「よかったら俺の付け人でもやってみるか」

その一言で伸二は有頂天、すっかりその気になって店をやめた。

「俺にもやっとテレビにデビューするチャンスが巡ってきた」

だがある夜、酒に酔った芸能人をマンションに送っていくといきなり襲いかかってきた。

「俺にまかせとけば悪いようにしないから」

芸能人の狙いは伸二のお尻だった。

            〇

夢破れて大阪へ帰って来た伸二は<万福食堂>の後を継ぐ。

訪ねて来たキヨシと再会する。

キヨシはボクサーになる夢破れた後極道の道に足を踏み入れいっぱしの顔になっていた。

(後に山口組の抗争に巻き込まれあっさり殺される)

純子の行方は杳として不明のまま…

伸二は店の客の紹介で知り合った女と結婚し子供ができる。

「夢みたいなことに現抜かしていた伸二もようやく落ち着いたか」と親も安心し始め頃。

            〇

時は1985年、一つの夢が現実となる。

阪神タイガース優勝!

その日、伸二は店を放り出し応援団長のはっぴを着て甲子園球場にいた。

「純子はきっとこの中にいる」超満員の観衆の中に純子の姿を探し求める。

そして優勝の瞬間、歓声と紙吹雪のスタンドを映すテレビカメラに向かって伸二は叫ぶ。

「純子!見てるか、俺や、伸二や。とうとうテレビに出だで!」

その時、テレビの中継画像がミナミの繁華街に切り替わり、道頓堀川に飛び込む阪神ファンの姿をとらえていた「ローンレンジャー!」

             〇

エピローグー夢の後先。

阪神大震災が発生、廃墟と化した大阪の街並みの映像が流れる。

その中に傾いた<万福食堂>の看板が一瞬映った・・・。

          END


[PR]
# by kcat46 | 2018-04-12 14:25 | 観読聴 | Comments(0)

ネコに噛まれて

a0007196_20060142.jpg
孫娘宅から預かりし猫(牝6歳)やうやう一月ぶりに帰宅す。
連れし当日は塒のゲージに閉じこもり、異なる環境に脅え警戒小さく籠もりてありつが、一日二日待つまでもなく未知なる家中散策始め、出会いしは我が家の愛猫ヒメコ。
いきなりフーと脅しつけ、以来すっかり縄張りをのっとりてあり。

そして何故か居場所と決めしがわがベッド。
以来、中年増に気に入られた爺間男の如き共同生活始まる。
一日のほとんどわがベッドでのびのびのたり、名前を呼べばめんどくさそうに答え、鼾をかき寝言呟き、のっそりとした風貌からつけた仇名が「逸ノ城」

それなりにすっかり慣れ始めたと思へしある夜。
いつもの如く軽酔いのままジャレふざけ、いきなり手首をがぶりとやられる。
血がだらだら流れとりあえずその夜は血を止めて、翌日外科へ行く。
手首から肘のあたりまで赤く腫れあがり、抗生剤の点滴と破傷風の注射。
三日間点滴に通い治まるも、長き猫との付き合いで甘噛みやひっかき傷ありしも本気で噛まれしは初体験。

恨みつらみメンドクサイことは酒に流す覚え、いつものごとく酒周りわがベッド。
なにか物足りなさ感じつつ、そうかカノ猫の塒としていしベッドの凹み。
あの猫が噛んだ傷跡が痒い。寂しさではない、何かぽっかと空白感は何だ?





[PR]
# by kcat46 | 2018-04-05 20:06 | 近所をブラブラ | Comments(0)

スモウノミカタ

a0007196_20245620.jpg
大相撲春場所は鶴竜の優勝で幕となった。
半分近くはどっちに転んでもという危ない相撲あったが、「善い人」へのご褒美ということで、ま、いいでしょう。
先場所優勝の栃ノ心はいよいよ本物になってきたという印象、あの意地っ張り豪栄道が跳んで勝つぐらい。

巷では相変わらず土俵外の雑音絶えないが、ワイドショウ的たてまえと俄か相撲評論家の言うことに何の興味もない。
JIMでひと汗かいた後、いつもの飲み屋のカウンターでテレビの相撲中継ちらちら横目に杯傾ける。
時に力入る一番に手にした杯宙に止まり、勝負決まってほうっと息吐き呑み干す酒の旨さ。

贔屓の玉鷲、栃ノ心の活躍、帰ってきた魁聖と勢、目が覚めたか逸ノ城、そしていつもハラハラ相撲で酒を美味くしてくれる松鳳山と千代乃国。
業師遠藤が両大関を食い初の三役を決めたのは来場所への楽しみ。
レンゲソウじゃないんだから嘉風と遠藤はやっぱり幕内上位、横綱大関を相手にする位置にいてこそ技ヒカル。
一番印象に残ったのは阿炎で、どこかやんちゃな子供のように狭い土俵を縦横無尽な格闘場に変える自由さがが、なんだか新しい時代の空気を感じさせた。

今場所新たに始めたのが相撲取りのキャラ付けという遊び。
幕内力士を中学校のクラスメートになぞらえてキャスティングするだけのことだが・・・。

例えば遠藤は、パーマ屋の息子で姉二人、小さい頃はままごと遊びが好きだった。
教室ではいつも窓際に座り、ボーっと校庭を見ている。ハーモニカが得意。
栃ノ心は警察官の息子で柔道部のキャプテン、国語が苦手で音読を指名されるとどもったまま真っ赤になって立ち尽くす。
松鳳山、豆腐屋の息子でいつも幼い妹の子守をさせられている。泣き出すと胸毛を抜かせてあやす特技あり。
逸ノ城、母親は飲み屋のママ、父親いない。授業中は居眠りばかりで体育も理由をつけてはさぼる。
普段は目立たないが。いったん怒り出すと手が付けられないという噂。
千代乃国、けん玉の名人、野球部でレギュラーだが試合中監督のサインを無視勝手に盗塁失敗で罰のランニングがいつものこと。
以下千代丸、宝富士、貴景勝、正代、北勝富士・・・その風体を思い浮かべれば思いつくまま頭の遊び、いつか空想の楽しいクラスができあがるだろう。



[PR]
# by kcat46 | 2018-03-29 20:25 | 雑・etc | Comments(0)

今年の土筆・18

a0007196_10022300.jpg
大山の裾野にたなびく霞か雲か、はて花粉の帯。
桜の開花も迫る中完全防備で土筆摘み。
わがとっておきの土筆場に出かければすっかり整地され建築現場と変わり果てている。

「百万本つくしあやめて家建ちぬ」(幸喜美恵子)

小田急線路際、鈴川土手など巡ればおや、眼前を横切るコバルトブルーはどっこい生きてたカワセミ。
帰宅後相撲観戦しながら袴取り、春の苦みを味わいながらの酒となる。

「約束の寒の土筆を煮て下さい」(川端茅舎)

酒:缶ビール(発泡酒・2)、真澄(ワンカップ)、焼酎・お湯割り

[PR]
# by kcat46 | 2018-03-20 10:04 | 雑・etc | Comments(0)

金子兜太

 
a0007196_19555339.jpg<戦後日本を代表する俳人で、前衛俳句運動の中心となり、俳句の可能性を大きく広げた朝日俳壇選者の金子兜太(かねこ・とうた)さんが2月20日、急性呼吸促迫症候群で死去した。98歳だった。>


訃報に接して以来、ぼちぼち読み返している。
当然ながら若い頃魅入られた句が今では何の感興も覚えず、今だから心動く句を発見したり。

有名な「彎曲し火傷(かしょう)し爆心地のマラソン」「銀行員等朝より蛍光す烏賊(いか)のごとく」
そしてW大短歌会のY君と酔っぱらっては高吟した「暗黒や関東平野に火事一つ」
観念の肥大と意識を言葉の抽象的な力で一句にまとめる見事さに傾倒していた。

一茶、山頭火など放浪漂泊の再評価に取り組む後、晩年郷土秩父と自然へのと交感から生まれた代表作
「おおかみに蛍が一つ付いていた」(平成十年)

評判の名句に文句はないが今読み返し心動くのは、
犬一猫二われら三人被爆せず」の肩の力抜けた視線。
「頭痛の心痛の腰痛のコスモス」 「の」の繰り返しが生むリズム感と季語コスモスの解放感。   
「男女のことはすべて屈伸虫の宿」 「すべて屈伸」と言い切る潔い無力感・・・。

「俳句を書くために森に出かけたりせず、自分が置かれた場所ならどこでも俳句を作る・・・」(アビゲール・フリードマン)

「海に青雲(あおぐも)生き死に言わず生きんとのみ」(トラック島にて・金子兜太)

謹んで冥福を祈るのみ



[PR]
# by kcat46 | 2018-03-08 19:57 | 合掌 | Comments(0)

冬季オリンピック・雑感

a0007196_21271663.jpg
始まるまでは北朝鮮の政治利用ばかり喧伝され、「北海道と長野県民だけ」のオリンピックと前評判さんざんだった平昌冬季五輪。
いざ始まって日本選手のメダル増えるにつれ手の平返しのお祭り騒ぎ。
やっぱり若いアスリートが人生をかけて戦う姿を見るのは贅沢な酒の肴だ。

東京産まれでウインタースポーツに縁なく育ったが、面白いと思ったのがスケボーの競技。
スリルとスピード感とあの空中に舞う浮遊感、若い人が夢中になるのが少しは分かる気がする。
スキーではモーグルやエアよりもやっぱりクロスが面白い。(猪谷千春の大回転のなんとおおらかだったか!)
同じ意味でスケートの今回初マススタートは速さに各選手の駆け引きが加わり抜群に面白い。

意外な発見だったのがカーリングのテレビ的面白さ。
一瞬を見逃すことができない他の競技と違い、何時間もかかる長丁場の中序盤の駆け引き、中だるみ(もぐもぐタイム)アリ勝負のヤマ場へと二時間ドラマ的流れはお茶の間でのながら見にぴったりだ。

採点競技は恣意的で信用していないのだが、羽生結弦は他の選手と全く違う領域にあると感じた。
「選ばれてあることの恍惚と不安」の欠片さえ感じさせず易々と(そう見える)結果を出してしまうしなやかな勁さ。
でもやっぱり、今度のオリンピックの主役はスケート女子500M金メダルの小平菜緒だったと思う。

昔若い頃八ヶ岳が好きでよく通った。半年ほど山麓の民家で暮らしたこともある。
茅野駅からバスで山へ向かう途中S字カーブのきつい登りが始まる手前に小さな小学校があった。
冬ならば、道路から一段高くなった校庭に水が張られ手製のスケートリンクとなって子供たちがスケートに戯れていた。

ある冬。北八ヶ岳の高見石小屋で何日か小屋番の真似事で過ごした後、小学校まで下って来て小屋のオーナーだったS田さんと待ち合わせ、放課後のスケート練習をぼんやり眺めていた記憶がよみがえる。
遠く八ヶ岳の白銀に光る稜線、蒼く凍った氷の感触、整備のため氷の表面を掃いていくシャリシャリとした音、時折ふざけ合う子供たちの嬌声。凍てつくような風景の温かさ。

あの風景を見ながら育った一人の少女が、世界の舞台でしっかりと自分を生きていることがとてもうれしい。



[PR]
# by kcat46 | 2018-03-01 21:28 | 雑・etc | Comments(0)

「虫の向こうに見えるもの」

a0007196_09544077.jpg
<秦野市在住の絵本作家・舘野鴻(ひろし)氏による講演会「虫の向こうに見えるもの」が伊勢原市立図書館で開かれる。昨年、絵本『つちはんみょう』で小学館児童出版文化賞を受賞した舘野氏が虫の世界について講話する。>

舘野君を知ったのは十年以上前、絵描きさんではなくジャズのサックス奏者としてだった。
伊勢原で行きつけにしていた『豆穂』で時折開かれるジャズライブでぶいぶいエネルギッシュな演奏を披露。
演奏後カウンターの雑談で当方の仕事を知り「私も以前芝居の世界にいたことがあります」
聞けばアングラの「暗黒舞踏」にいたという話。
以来、ライブで会えば親しく口きくようになった。

そして数年後のある日「今度こんな本出したんですが」と見せられたのが最初の絵本『しでむし』(2009年・偕成社刊)
秦野で山林関係の仕事をしながらジャズマンを志す人と漠然と思っていたので少々驚いたが、その絵を見て繊細な細密画で描く独自な世界に感心した。
(あまりのリアルな描写に絵本を見せたわが孫は怖いと言ってえ放り出したのだが・・・)

<しでむしは漢字で書くと死出虫。死への「おくりむし」というべき虫の生活を、ていねいに細密に描いた力作ですが、それだけに、しっかりきちんと読みたい絵本です。そうでなければ、尖った鉛筆でみごとに描かれた森の中の小さな生き物たちの生と死のありのままから、つい目をそらしてしまうかも知れません>(長田弘・東京新聞書評)

次作『ぎふちょう』を発刊後「豆穂」が閉店となったこともあり、会う機会も少なくなったが、虫シリーズの準備と取材に展覧会や講演など忙しくしているらしいと風の噂に聞いていた。
そしてシリーズ三作目『つちはんみょう』で今回の受賞。

原画展に寄った後講演会場で再会、スライドを交えた虫の世界の話を聞く。
虫との出会いから始まって本州にはいないオサムシを採りたくて北海道の大学に進んだこと、その後ジャズサックスに始まり、アングラ演劇や舞踏に傾斜していった経緯。
そっして再び虫の世界に戻り、師と仰ぐ熊田千佳慕との関係・・・。

二時間の予定をオーバーして語る彼の饒舌が、単にサービス精神ではなく虫という小さな生き物に対する熱い想いからくるものだと感じる。
それはただ観察者であることに飽き足らずついには虫を(テッポウムシ等)を食すという身体的経験に裏打ちされたものだろう。

それにしても何故カブトムシやカミキリやオニヤンマ、アゲハではなくシデムシやツチハンミョウ、現在のテーマガロアムシやセンチコガネなのか?
人気の昆虫は描き尽くされているということもあるだろうが、あえて陽の当たらない名もなき虫ケラを選ぶことに、彼のダンディズムを見る。

舘野鴻の絵本はよく描かれた虫の世界ではなく、必死に生き尽くし死んでいく虫たちへの共感であり、生命の現場からのリポートなのだと思う。
次作は北アルプスの稜線に棲むタカネヒカゲを描くため登山のトレーニングを始めたという。
ウ~んもう少し若ければ・・・。

[PR]
# by kcat46 | 2018-02-21 09:55 | 観読聴 | Comments(1)

ポーラ美術館から

a0007196_14233778.jpg
100点の名画でめぐる100年の旅
教科書やどこかのロビーの壁いつかどこかで見た覚えのある名画の数々、眼に映リはしたが記憶の片隅にしてきた絵、そして初めて目にする何点か。
「19世紀半ばから20世紀半ばまでの約百年の西洋と近代絵画の流れを、旅するように・・・」鑑賞する。

美術館で絵画を前にした時、若い頃は肩肘張って絵のテーマを理解し、描いた画家の意図は、時代背景はと、頭で絵と対峙していた。
一枚の絵から挑発されたり、刺激を受けるのを目的としていた頃もある。
見慣れるにつれいつか肩の力も抜け、絵の世界に溶け込むことを覚えた。
出会い、浸り、淫する楽しみ。
a0007196_14242730.jpg
a0007196_14251789.jpg

100年の絵画の流れに身をゆだねてみると、結局は昔の自分との対話になっていく。
若い頃ただの写生にしか見えなかったであろうジョルジュ・スーラ「グランカンの干潮」
画家がキャンバスに描かなかったもの、聞こえないはずの音、そして永遠という時間を確かに共有している自分が今。

喫茶店のマッチの絵とバカにしていたルノアールの「レースの帽子の少女」もそのあどけなき無垢な輝きが、命の儚さに支えられていることも今は分かるのだ。
それは「果物を持つ少女」(ジュール・バスキン)や「麗子坐像」(岸田劉生)の瞳が見つめる虚にも感じる。

カメラを持った若い人が多いのは美術学生だろうか?
ズームレンズを通せば画家の絵筆のタッチの細かい動きまで見えるかもしれないが、それでいいのかどうか専門外で分からない。(家でじっくり見直すにはいいかも)
酒をちびちびやりながらいつまでも見ていたいラウル・デュフィ「パリ」、マルク・シャガール「オペラ座の人々」
レオナールフジタ(藤田嗣治)「姉妹」の乳白色、熊谷守一「きび畑」の愛しさ・・・。

名画に酔った後は箱根湯本駅、酒友Mと待ち合わせ近くの「弥次喜多の湯」でひとっプロ浴び缶ビール。
バスで小田原に出て久しぶりの「小田原おでん・本店」の暖簾くぐる。
アオサ海苔からイカ墨やサンマのつみれでお酒の時間。

酔いも回って駅まで歩き、駅前の朝採り地鶏で有名な「ゆう助」
満席かなと覗けば珍しくすんなり座れて仕上げのお酒となる。

酒:缶ビール、丹沢山(神奈川)、大七(福島)、焼酎・お茶割




[PR]
# by kcat46 | 2018-02-12 14:28 | 観読聴 | Comments(0)

自然観察会と、

a0007196_19464190.jpg
市の自然観察会、昨年五月以来二度目の参加。
9:30比々多神社集合、リーダーの説明、挨拶など終え「塔の山緑地公園」に向かう。
今回は市の観光協会も途中まで共同とかで30名を超える大人数の団体さん。

東門から山道に入りアオジやコゲラなど木々の間に探しながら展望台、眼下に広がる横浜から江の島湘南の海岸線と房総半島の眺め。
リーダーの声に冬の蒼空見上げれば、猛禽類のノスリとチョウゲンボウの闘いがゴング。
双眼鏡の中で展開する命がけの空中戦バトルにただ魅入るばかり。

塔の山頂上までは階段状の軽い登りで到着。
大山に残る雪を眺めながら一休み、森の小路を下って「パークセンター」着(12時頃・昼食)
昼食休憩後、山麓の林道からミカン畑の作業路を経て山道に向かう。

飛び交うヤマガラやエナガ、メジロなどの混群。
聖峰下の開けたT字路に出れば空開け、今回お目当てのオオタカの姿探して双眼鏡青い空彷徨う。
やっと眼にしたオオタカは、カラスにでもやられたのか羽ボロボロで、痛々しくも悠々と空舞う姿に生きることの厳しさと美しさ想う。
15時朝の神社駐車場着、ケヤキの枝の宿木を眺めながら締めの鳥合わせ(計20数種)で解散。

帰宅後とりあえずの缶ビールで相撲観戦。
栃ノ心の優勝を眼にして外出、いつもの「越峠」
山の仲間たちが集まり新年の顔合わせを兼ねた今年の予定など。
鴨のすき焼き鍋からはじまり美味な肴で酒美味し。
a0007196_19471080.jpg

酒:缶ビール、瓶ビール(モルツ)、蓬莱(愛川町)、義侠(愛知)

[PR]
# by kcat46 | 2018-01-29 19:48 | 近所をブラブラ | Comments(0)

境川遊水地公園

a0007196_10301440.jpg
高校時代の同期生で作っている自然観察サークル「自然塾」に誘われ初参加。
伊勢原=相模大野=湘南台9:30集合、メンバー11名(男4、女性7)
名前と顔見比べ面影忍べど浮かぶ人、まったく浮かばない人・・・。

リーダーのT君からコースの簡単な説明と予定等、野鳥冊子(200円)
駅前から歩き出しすぐに湘南台公園、ヒヨドリやシジュウカラ、セキレイ等なじみの鳥がご挨拶。
T君の指示で見上げればハナミズキの枝に残るメジロの巣、初めて見る。

公園抜けて境川の河川敷にカワウ、アオサギ、川面にはオオバンの群れ、忙しく潜り返すのはカイツブリ。
川沿いのサイクリングロードをきょろきょろ鳥の姿追いながらのんびり歩く。
おや、キセキレイ、カワラヒワ、イソシギそしてお待ちかねカワセミがコバルトブルーの姿見せ女性陣を喜ばす。

a0007196_10304345.jpg
コース中ほどにある白鷺橋を渡りトイレ休憩。
冬の河川敷と聞いてしっかり防寒してきたがインデアンもびっくりのぽかぽか陽気。
列が一つになったかと思えば、またばらけ、いくつかの団子を作ってはまた崩れ・・
気まぐれマイペースな一同をまとめるリーダーT君がカルガモの親鳥に見えてくる。

情報センターの休憩スペースで昼食。
コンビニで買ってきた弁当開く間に女性達からおやつ次々回ってくる。
血糖値を気にしながら有難く頂き、残りはお土産とする。

全員揃って記念撮影後センター周辺をもう一巡り。
タヒバリ、セッカなど初見の野鳥を加え、マガモとカルガモの見分け方を学び境川遊水地を後にする。

帰りは小田急江ノ島線六会日大前駅まで歩き、駅近くの「デニーズ」
イチゴのパフェを頬張る女性たちを横目に生ビール。パフーッ!と喉潤せば「自然塾」デビューも無事に終わる。





[PR]
# by kcat46 | 2018-01-23 10:32 | 近所をブラブラ | Comments(0)

2018・今年も

a0007196_19591785.jpg
大晦日、寝酒後本を伴にベッド。
Eテレの「クラシックハイライト」辻井伸行と三浦文彰のコラボを子守歌に年を越す。
<元旦>
6時前いつものように愛猫ヒメコに起こされ起床。
初陽、大山から三ノ塔の山並み紅く染める。
朝食:ヨーグルト、フルグラ、リンゴ半ヶ。新聞、パソコン、年賀状(年々減少の一途)
11時前早お昼でお雑煮(お餅二ヶ)を食べ双眼鏡持参で外出。

伊勢原=秦野駅~水無川沿いを弘法山入口~ちょっとした急登~浅間山~権現山頂(243M)
バードサンクチュアリ(野鳥の水場)で野鳥観察。
野鳥観察者の多くが望遠付のカメラ持参の理由、動き回る野鳥を双眼鏡で追うよりカメラで撮って確認する方が簡単と分かる。
本日視認種:セキレイ、アオジ、カワセミ、シジュウカラ、ツグミ、ジョウビタキ、ヤマガラ、シメ、ルリビタキ

一時間ほど遊んで下山、麓の「富士見の湯」(休日料金:秦野・伊勢原市民800円)
汗流した後食堂、茹で落花生と富士の眺めをツマミに今年の初酒生ビール。
続きは地元白笹酒造の樽酒飲み放題。家人の迎車で帰宅。
帰宅後お節を肴にゆるゆると晩酌、酔いまわり毎年恒例の「ウインフィルニューイヤーコンサート」(指揮・リッカルド・ムーティ)
ラスト「ラデッキー行進曲」の手拍子合奏までもたずに眠りの中も例年通り。

a0007196_20000405.jpg

<二日>
6時前起床、いつもの朝食。
10時過ぎ缶ビール(モルツ)お節、お雑煮後家人軽井沢在住の妹の元へ出かける(~4日)。
ヒメコとお留守番、近所の八幡神社初詣を兼ね散歩。
後は一日録り貯めたビデオを見たり、読みかけの本を読んだり、だらだら酒で過ごす。
テレビに映る時間によって来春の受験料が億単位で上下するという「箱根駅伝」、アナウンサーの感動の押し売りが鬱陶しく音声消して途中経過をチラ見する。

2017M1グランプリ
決勝に残った各組のレベルの高さ!
特に優勝を争った「とろサーモン」と「和牛」は近年まれにみる好勝負。
笑いの数で勝る技術の和牛に対し、キャラクターのおかしみを前面に出したとろサーモン。
上手い方が負け、新鮮な方が勝った結果に納得。

最近の若手のお笑いを見ていて感じるのは作家性ということ。
相方の欠点を笑う古い漫才はほとんど消え、場面設定とキャラ創りの独自性や、序破急の展開スピード、さらに近年はシュールな世界観が求められていると感じる。(イヨネスコやヴェケットをやらせてみたい)
わが青春時代、アングラ演劇や自主映画、ポルノに夢を賭けた若者たちが、今はお笑いの世界に夢を託す時代なのだろう。
その中から新しい作家たちが産まれてきたのも納得できる感じ。

「地理バカ先生」で都道府県の形を記号化して笑わせてくれたバカリズムが脚本賞で今や売れっ子脚本家となり、芥川賞作家の又吉より先に小説家デビューした劇団ひとりは今度は映画監督で賞をとったとか、キンコン西野の絵本も評判通りなかなかの意欲作でとても余技と言えないレベル。
唯一欠けているのが政治性(革命)と思っていたら、最近ウーマン村本が原発や沖縄の基地問題を漫才ネタにして物議を醸しているらしい。
まだとても政治風刺と言えないレベルだが、尖がった異才が出てくるのはいいことだ。めげずに頑張れととりあえず応援。

<三日>
午前中、パソコンと年賀状返信、箱根駅伝チラチラ。
午後初JIM(10年目の改装で新マシン導入)
ストレッチとマシンの筋トレ(30分)、エアロビ(45分)、プール(50×5×3セット)
露天風呂でまったり汗流し、本厚木駅ナカの立ち呑み「ぼたん」
おでん玉葱と大根のとろろ昆布で生ビール、赤貝のお造りと海鞘の塩辛で多摩自慢・あらばしり(東京)と蓬莱泉・しぼりたて(愛川町)
今年もなんとか・・・。

OXで夕食の寿司セット買ヒメコの待つわが家。
買ってきたツマミや寿司で焼酎をもう一杯、メール開き高校時代の同期生O君の逝去通知。
高校時代はクラスも別彼は柔道部キャプテン、自分は・・・。
全く遠い存在だったが学生時代のW大キャンパス、怒声とキナ臭い殺気漂う現場で赤い帽子のO君と偶然再会。
以来何度か不安な夜と緊張の朝を共にした。
最期にあったのは一昨年の古希同期会、ようやく普通に生きる充足感を手に入れたかのように思えたのだが・・。
合掌!ついでにもう一杯献杯。

<四日>
午後、家人が軽井沢から帰宅。
高校生になった孫娘が東京から、近くに住む娘一家四人が来宅。
のんびりしていたヒメコは逃げ出し、焼肉パーティーとなる。

ビデオ(レンタル)『哭声・コクソン』
監督・脚本:ナ・ホンジン(「チェイサー」「哀しき獣」)
社会派サスペンスかと思ったらホラー、オカルト、スプラッタ、どこへ連れて行かれるか判らぬまま。
終わってみればぐったりと、しばらくモツは食べられない。

本:『アメリカン・ブラッド』ベン・サンダース(ハヤカワミステリー) 『仰臥漫録』正岡子規(角川ソフィア文庫)

a0007196_20011169.jpg








[PR]
# by kcat46 | 2018-01-07 20:03 | 近所をブラブラ | Comments(0)

2017読んだ本BEST

a0007196_13402167.jpg
「ザ・カルテル」ドン・ウィンズロウ(角川文庫)
アメリカメキシコ国境を舞台に、麻薬組織とDEA(麻薬取締局)、警察、軍隊、政治家、そしてマスコミ10年間に及ぶ血と暴力の麻薬戦争。
21世紀クライム・サーガの傑作。

「天国でまた会おう」ピエール・ルメートル(ハヤカワ文庫)
第一次世界大戦下の戦場で上官の犯罪を目撃した兵士、戦後のフランスで生き延びながら狂気に蝕ばまれていく。
重いテーマを「冒険小説」として読ませる職人技。

「孤独な鳥がうたうとき」トマス・H・クック(文芸春秋)
各章ジャズの曲名(『バードアローン』他)でつづる短いエピソードの積み重ねでテンポ良し。
軽みの中静かなしみじみとした哀歓。人情噺を聴いたような名人芸。

④「熊と踊れ」アンデシュ・ルースルンド&ステファン・トゥンベリ(ハヤカワ文庫)
賢く冷静な長兄をリーダーに綿密かつ大胆な犯行で警察を翻弄次々と銀行襲撃を繰り返す兄弟たち。
暴力をテーマにシンプルな筋立てで語られる家族の物語。

「青鉛筆の女」ゴードン・マカルバイン(創元推理文庫)
真珠湾攻撃直後のアメリカ社会における日系人に対する差別と憎悪。
凝りに凝った構成だが最後まで読ませるのは登場人物の造形と伏線の巧さ。

「夏の翳り」ジョイス・メイナード(ハーパーBOOKS)
サンフランシスコ郊外の山の麓に住む姉妹。
連続暴行殺人事件に巻きこまれ三十年後の思いがけない結末、そしてあの夏への郷愁が切ない。

「パードレはそこにいる」サンドローネ・ダツィエーリ(ハヤカワ文庫)
女性刑事コロンバと失踪人捜索のエキスパートダンテ、共に心の傷に悩むコンビがハラハラ感と心情で読ませる。
異常犯罪の裏に浮かび上がるイタリア社会の深い闇。

「悪魔の星」ジョー・ネスポ(集英社文庫)
オスロ警察警部ハリー・ホーレシリーズ。連続殺人事件、切断された指と遺留品五芒星ダイヤの謎。
組織からの逸脱者で善悪の境界線を彷徨うハリーという刑事の魅力。

「爆殺魔」リサ・マークルンド(講談社文庫)
ストックホルムのオリンピック競技場で発生した爆弾事件を追う夕刊紙報道部デスクアニカ。
夫と二人の子供を抱えた働く主婦の主人公がリアリティあり巧い。

「約束」ロバート・クレイス(創元推理文庫)
LA市警スコット巡査と警察犬マギーコンビ「容疑者」の続編。
前作ほどのサスペンスはないが、警察犬と二組のコンビのキャラで読ませる。

「扇動者」ジェフリー・ディーヴァー(文芸春秋)
尋問の天才キャサリン・ダンスシリーズ。「群集心理」と「パニック」がテーマ。
家族(子供)と恋人の間で揺れ動くダンスのキャラ設定は?

「ノア・P・シングルトンの告白」エリザベス・L・シルヴァー(ハヤカワ文庫)
女子刑務所で死刑囚として服役中の35歳の女ノアが主人公。
「異色のアンチヒロイン」で挑む死刑という問題。


[PR]
# by kcat46 | 2017-12-31 13:40 | 観読聴 | Comments(0)

金沢・雪とおでん

a0007196_14032493.jpg

阪急トラピクスのツアー<おひとり様参加限定/ゆっくり金沢・2連泊3日間>(29900円)

<一日目>
6時過ぎ家を出て伊勢原駅で今回ツアー同行のO氏、H氏と待ち合わせ、新宿経由で大宮。
車内用缶ビールとツマミ等買い大宮発8:38(新幹線かがやき521)東京駅集合組と合流する。
金沢着10:47、添乗員から今後の予定や宿泊ホテルの説明などあり解散となる。

何十年ぶりの金沢は「最近珍しい」吹雪のお出迎え。
予定していた湯涌温泉の竹久夢二館は展示替休館中とあり、遠出はあきらめとりあえず近江町市場へ向かう。
吹付ける風雪の中雪に足とられながら20分程歩いて市場のアーケード潜れば人の波。
有名店前の長い行列横目に市場二階の一隅に空席見つけ、とりあえずのビールと日本海の刺身等肴に地酒の熱燗で ホット一息。(金時草美味!)

市場の前からバスに乗り「21世紀美術館」へ向かう車窓から眺める雪国の風情楽しむ余裕。
雪の中佇むモダンな美術館の建物に足踏み入れればまたまた長い行列。
飛び交う中国語や韓国語に恐れなし、隣接の「金沢歌劇座」で開催の「第九演奏会」に急遽予定変更する。
石川フィルハーモニー(指揮:花本康二 2500円)
前奏として琴の合奏「千鳥の曲」(金沢邦楽アンサンブル)が金沢らしい感。
a0007196_15113124.jpg

久しぶりの第九合唱口の中で声合わせ気分高揚(やっぱり年末は第九でしょう)、表に出れば降り続く雪もまた佳きかな。
香林坊まで歩きおでんの有名店「赤玉本店」小上がりに座を占め名物金沢おでんで地酒宗玄の燗酒。
続きはホテル「クラウンヒルズ金沢」(一夜だけ夕食付)支配人によれば「雪で四国からの団体旅行客40名がキャンセル」とかで、蟹でもなんでも好きなだけ食べて下さいとヤケクソなお勧め。
ビール、ワイン、酒、焼酎も飲み放題(1時間)でたっぷり楽しみホテルの部屋に戻り沈没。
ホテル近くでいいバーを見つけたというH氏からの寝酒のお誘いにも珍しくパスメールする。

<二日目・市内ツアー>
一日だけの団体行動日、朝食済ませ(ヴァイキング、種類の多さ味もまずまず)9時過ぎ尾山神社集合
ツアー参加者20名弱、二班に分けそれぞれに現地ヴォランティアガイドさん付きで出発。
前日の雪残る路を長町武家屋敷跡へ、足軽資料館で下級武士の生活見学、野村家では位の高い武家屋敷・・・。

お勉強はここまででガイドさんと別れバスで金沢城公園へ。
広大な雪景色の城跡をそれぞれ散策、近くの食堂で昼食(生ビールと名物治部煮うどん)
再び集合後若い女性ガイドさんの案内で雪の兼六園へ、前日に続き時折雪の舞う天気だが園内樹木の雪釣りに雪が積もる風景は近年まれだと聞き得した感。

近くの土産物屋に寄り休憩後、再びバスに乗り本日最後の目的地ひがし茶屋街へ。
石畳と格子窓の茶屋の風情も、今はその多くがカフェに変身。
行き交う派手な柄の着物姿の女性グループはほとんどが中韓系ガイジンさん。
以前仕事の取材で来たことのある「懐華楼」見学で本日の大人の修学旅行は解散となる。

さっそく茶屋街の一角にある酒屋の小洒落たスタンドで地酒の試飲「能登白菊」「菊姫原酒」(グラス500円)
下地ができたところで香林坊に戻り前日入れなかったおでん屋「大関」
刺し盛(寒鰤流石の美味!)おでん各種、念願の蟹面カニ面蟹肉と外内子の詰め物・1200円)やツブガイ等おでん各種、海鼠腸等等ン日本海の珍味鱈腹、燗酒と焼酎お湯割りで流し込む。
a0007196_15123773.jpg
締めのお酒は前夜パスしたホテル近くのバー「広阪ハイボール
若いマスターの作る売物のハイボール(デュワーズ)を味わい、勢いついて地ビールをチェイサーにモルトウヰスキー「駒ヶ岳」をくいとあおればいっちょ上りとなる。


<三日目・フリー>
9時過ぎチェックアウト、開館時間9:30に合わせ以前から気になっていた「鈴木大拙館」(60以上200円)
静かな住宅街にひっそり佇む無駄のないシンプルなデザインの建物(谷口吉生設計)
玄関から一歩中へ入ると世界的仏教学者鈴木大拙の世界観が凝縮されて在る。
「内部回廊」から「展示空間」「学習空間と」辿り外部回廊に出ると館の神髄でもある「水鏡の庭(Water Mirror Garden)」に出る。
冬の雑木林を借景にしんと鎮まりかえった水面を見つめていると、大拙の「禅」の思想に触れたような気にさせられるから不思議だ。

外に出れば朝からの冷たい雨もやみ、流れる雲の隙間から日の光射す。
初日混雑でパスした「21世紀美術館」(1000円)まで歩き、H氏、O氏と別れ館内へ。
有名なレアンドロのプールからインスタレーション中心の展示を次々と巡りながら、なるほどと思わせるものや古いヨーロッパ映画の世界を想起させる展示もあるが、どこか西洋お化け屋敷的虚仮脅し感残る。
「こういうのはもういいな」という気分になったのは、歳のせいもあるがたぶん「鈴木大拙」を先に見てしまった故だろう。

近くの蕎麦屋でビールと饂飩の昼食済ませもう一度「鈴木大拙館」に戻り、思索の間に座り四角く区切られた空間から水鏡の水面をぼんやり眺めしばし、傍らに伴の酒無きを寂しと思うのは酔っ払いの雑念。
悟りにほど遠いわが邪心を叱咤するように突然の雷鳴と共に雹が降ってくる。
慌てて近くの石川県立図書館に駆け込み「弁当忘れても傘忘れるな」という北陸の諺思い出す。

鈴木大拙についての著作と先日テレビで見て以来気になっていた「加賀藩奥山周り」の資料など借り出し読書室。
大拙の《霊性の自覚》について考えるうち、周囲の静けさと温かさでいつの間にかうとうと。
ふと気が付けば机に伏せたまま眠りこみ涎など垂らしている。
遠く学生の頃、午後の授業での居眠りを思い出し懐かしい気分に浸る。

バスで金沢駅に向かい16時頃着、ツアー集合時間17:35には間があり構内の土産物コーナーにある地酒スタンドで「お試しセット」(加賀鶴、長生舞、若緑・864円)ちびちびやっているとO氏から近くの「加賀屋」にいるとのメールあり。
H氏も合流して集合時間まで金時草を肴に天狗舞で締めの酒。
土産と車内用の酒、肴を買い込み17:55発新幹線「かがやき514」で帰路に就く。
a0007196_15132185.jpg

[PR]
# by kcat46 | 2017-12-24 14:06 | 遠くへふらふら | Comments(0)

サントリー学芸賞

息子の著作「映像の境域--アートフィルム/ワールドシネマ」がサントリー学芸賞受賞ということで、贈呈式に出かける。
会場の「ホテルニューオータニ」眼下に見える清水谷公園を眺め、数十年前学生運動の集会できたことを思い出す。
映研の先輩に誘われるまま参加し、当時三派全学連との内ゲバに巻き込まれ逃げ込んだニューオータニの庭園。
待ち構えていた機動隊のジュラルミンの盾でさんざん小突き回された思い出。

贈呈式では40代が中心の若き知性の受章者の挨拶がそれなりに面白かった。
戸籍と無戸籍の問題やヨーロッパを浮遊して生きてきたロマ民族を追い続ける女性研究者など・・・。
「星を見つけた者は振り向かぬ」(金にはならないが)自分のテーマを見つけて生きている若さが心地よい。
年を取ってみれば好きな道を見つけたやつが幸せなのだとしみじみわかる。

授賞式後のパーティー。
サントリーさんには散々貢いできた。
飲み初めし頃のレッドのコークハイ、初めてゴールデン街のスナックにキープしたマイボトル白、山口瞳、野坂昭如、田中小実昌さん達の角を横目にいつかはと思っていた。
久しぶりのモルツで乾杯(普段の晩酌はもっぱら発泡酒)、酔いが回れば今回狙いの初山崎ロック。
う~ん少々回りすぎでいまいち味のちがいわからず。
a0007196_20465467.jpg

第39回サントリー学芸賞(サントリー文化財団主催)が発表された。受賞者・受賞作は次の通り。
<政治・経済部門>伊藤公一朗・シカゴ大公共政策大学院ハリススクール助教授「データ分析の力 因果関係に迫る思考法」(光文社)
▽宮下雄一郎・松山大准教授「フランス再興と国際秩序の構想--第二次世界大戦期の政治と外交」(勁草書房)
<芸術・文学部門>加藤耕一・東京大大学院准教授「時がつくる建築--リノベーションの西洋建築史」(東京大学出版会)▽金子遊・批評家、映像作家「映像の境域--アートフィルム/ワールドシネマ」(森話社)
<社会・風俗部門>遠藤正敬・早稲田大台湾研究所非常勤次席研究員「戸籍と無戸籍--『日本人』の輪郭」(人文書院)▽福間良明・立命館大教授「『働く青年』と教養の戦後史--『人生雑誌』と読者のゆくえ」(筑摩書房)
<思想・歴史部門>左地亮子・国立民族学博物館機関研究員「現代フランスを生きるジプシー--旅に住まうマヌーシュと共同性の人類学」(世界思想社)▽前田亮介・北海道大大学院准教授「全国政治の始動--帝国議会開設後の明治国家」(東京大学出版会)
<毎日新聞ニュース>



[PR]
# by kcat46 | 2017-12-14 20:47 | 街を歩けば | Comments(2)

日馬富士の引退

藪の中をめぐり言ったもん勝ちのような喧噪の果て、横綱日馬富士が引退となった。
キレとスピードが命の相撲故、衰え始めたら早いだろうとは思っていたが先場所の逆転優勝。
まだまだ少なくとも鶴竜よりは後、稀勢の里とどっちかと思っていたがこんな形で詰め腹切らされることになるとは。

時間前土俵の砂ギリギリから相手を獲物のように睨み上げる仕切り、鋭く突き刺さるような立ち合いから櫛風の如く相手を仕留めるスピード感あふれる相撲は居合抜きの勝負を見るような鮮やさだった。
反面負けるときの脆さ、九州場所の初日、二日目を見れば日馬富士の相撲がいかにその強靱な精神力に支えられていたかが分かる。
この間の大騒ぎで肝心の気持ちがプツンと切れてしまったのなら引退の決断も止むなしかも知れない。

それにしても、最近の狂騒的マスコミ報道はどうなってるのだろう?
知りたがり、言いたがり、裁きたがる。
自分でも信じていない横綱の品格や相撲道、国技を口にして恥じるところもない風だ。

「正義という煌々たる電灯が頭にともると激烈に群れる。どの頭にも一個づつ正義という電灯をともしているが、一人では決して走らない。群れるための手段として正義が必要なのである」(司馬遼太郎「この国のかたち」)

今の世の中のこの息苦しさは何だろう、みんな誰かに遠慮して。タテマエばかりが幅を利かせる。
自分が日馬富士たちと同じ三十代だった頃、毎晩のようにネオンの巷をほっつき歩き、酔っ払いの喧嘩は日常茶飯事。
「表へ出ろ!」の怒号やビール瓶の割れる音、飛び交う灰皿の中で酔いつぶれよくも無事生き延びてきたと思うしかない。
赤塚さんや談志師匠、勝新に松方さん、ユーヤさん・・・。本音で生きることを由とした時代はもうない。

日馬富士を失ったことの欠落感は徐々に効いてくるだろう。
a0007196_15594477.jpg

[PR]
# by kcat46 | 2017-12-05 16:01 | 雑・etc | Comments(2)

塔の山緑地公園

a0007196_10383837.jpg
インディアンの夏日和に誘われ、買ったばかりの双眼鏡持参で自転車に乗り塔ノ山へ。
比々多神社辺りから坂きつく一汗かいてパークセンター駐車場。

自転車置いて塔の山への散策路、森の小径を辿れば周囲の樹木々から野鳥の合唱響く。
双眼鏡で姿捜すがここと思へばまたあちら声はすれども・・・これも練習と粘るうちヒヨドリを始めシジュウカラ、ホオジロ、イカル、アオジ等の姿を双眼鏡に捕らえる。

30分ほどの登りで塔の山頂上(203M)、髙取山方面の紅葉眺めながら西口広場周りで元の駐車場へ。
ベンチで缶ビール飲みながら秋空にオオタカの姿捜すが確認できず。
とりあえず今日のところはこんなところで、家路へ。
a0007196_10392891.jpg

<大相撲九州場所千秋楽>
場外バトルの方が賑やかで、モンゴルからはるばる業師旭鷲山まで乱入して何がなんだか。
前日遠藤をカチアゲで土俵外へ吹き飛ばし、この日は後の先(?)豪栄道をガップリ四つからあっさり投げ白鵬40回目の優勝で幕となる。

三勝には名が挙がらなかったが贔屓の玉鷲が11勝の好成績を残し、幕内復帰の39歳安美錦涙の敢闘賞、蒼国来の十両優勝、臥牙丸、大砂嵐の復活気配、そして怪我に泣きつづけた常幸龍(幕下十四枚目)には安美錦に続いてもらいたい。


[PR]
# by kcat46 | 2017-11-27 10:40 | 近所をブラブラ | Comments(0)

大山深秋

a0007196_18563201.jpg
自室の窓から見える大山の秋色深む。

競馬もいよいよ佳境を迎え「マイルチャンピオンシップ
前週「エリザベス女王杯」クロコスミアの逃亡劇で味わいし美酒をもう一度とマルターズアポジーの逃げに賭けるが直線で馬群に消える。
幸運にハシゴ無し。

久しぶりに「ゴッドファーザー」Ⅰ、Ⅱと見てららのテーマにどっぷり心地好き疲労感に浸る。
先日「アウトレイジ」をうっかり見て以来残る口中の雑味洗い流す。

今宵酌の伴は雑音混じりの大相撲中継と此の秋最後のマコモダケ

ことごとくやさしくなりて枯れにけり」(石田郷子)



[PR]
# by kcat46 | 2017-11-20 18:58 | 雑・etc | Comments(0)

シダンゴ山・17

a0007196_18533586.jpg
9時半新松田駅集合メンバー四名(男2、女2)9:40発寄行きのバスで30分ほど終点寄バス停着。
晴れて暖かな秋日和、紅葉の季節にはまだ早いが周囲の山々ぼちぼ染まり始め。
トイレ済ませて歩き出す。

橋を渡り大寺の集落に入るとすぐに宮地山との分岐、右シダンゴ山の道標で舗装された農道の意外にキツイ登り始まる。
周囲の茶畑に晩秋の季語お茶の花を探すが見あたらず、「茶畑で花なんか咲いてたら手入れ悪い証拠ですよ」
蜜柑農家に育ち茶畑で遊んだというEさんに笑われる。
お茶の栽培で花を咲かせるのはタブーだそうで、なるほど近くに放置されて藪状になった茶の木には幾つか花が咲いてゐる。
幾つになっても発見があるのはいいことだ。たぶん?
a0007196_18544933.jpg

鹿猪避けの防護柵潜れば杉林の山道となり、汗かき始めた頃途中水場あり。
やがて雑木林となり登りきつくなるとシダンゴ山の頂上着(758M)11時半頃。
テーブルと祠のあるカヤトの山頂を囲むように植栽されたアセビの木々も、以前は低かった丈がすっかり伸び眺望を遮るほど。

家族連れやカップルが弁当を開く中、適当な居場所を見つけ持ち寄った馳走並べて秋の宴。
今回は野菜ソムリエのM氏参加で、珍味(里芋とチーズの和え物等)あり赤ワインなど山の贅沢ちょっぴり味わう。

下りは秦野峠方面に向かい分岐から宮地山への尾根道。
木洩れ日の中、遠く聞こえる野鳥の声も双眼鏡で姿捜すにはまだ木の葉多し。
眺めも何もない宮地山(512M)から田代向への道を分け、分岐点に戻り大寺方面へ。
踏み跡覆う枯葉の絨毯急な下り道、朴葉の葉が時折吹く風に舞う中秋をいっぱいに浴びながら滑るように下る。

再び茶畑が見え始めると農道になり、シダンゴ山との三叉路に出る。
バスが来るまでの時間、中津川の畔でしばし休憩。
大空に舞うハングライダーに混じり、渡りの途中か鷹の群れを双眼鏡で追う。
バスで新松田駅から鶴巻温泉いつもの「弘法の里湯」へザブン。
汗を流した後は合流したO氏を交え生ビールで乾杯、「鶴寿庵」での酒席といつものコース。

a0007196_18553524.jpg
酒 :缶ビール、赤ワイン、生ビール、丹沢山ひやおろし、隆(山北町)


[PR]
# by kcat46 | 2017-11-08 18:59 | 山を歩けば | Comments(0)

無声映画と俳句

学生時代の旧友S君から「無声映画と俳句の関係」というお題戴く。
サイレント映画を長い間見ていないので何とも言えないが、山中貞夫の作品(『人情紙風船』等)や小津安二郎の何本か(『長屋紳士録』『お早よう』等)の印象から漠然と落語の影響があるのかと考えていた。

日本の映画、特にサイレント時代の小津安二郎や山中貞雄は、俳句の影響が強く、特にそのリズムに依拠しているのではと思っていますが、いかがでしょうか・・・>

S君の云う映画のリズムという意味が映画の時間的流れだとすれば技術的な編集(カット割り)の事なのか、語り口を指しているのか。
俳句は論理、短歌は情」とはよく言われる。
論理とは無駄なものを排除する省略であり、情とは掬い上げることだと思う。
山中貞夫は「ストーリーをちょんぎれ、フィルムもちょんぎれ」と「ちょんぎれ」が口癖だったという伝説がある位だから、確かに俳句に通じる一面があるのかもしれない。

古池や蛙飛び込む水の音」の句を映像化する時、一匹の蛙が居て古い池に飛び込みボチャンと音がしたとそのまま画にする人はいない。
頭に浮かんだイメージとリアルな映像、音との関係の中で取捨選択。
嵐山光三郎先生でなくとも、「見えないものを見」聞こえない音を聴くのが芭蕉であり、俳句なのだ。

芭蕉が集団的座の俳諧から発句を独立させた時、何を捨て何を発見したのか。
S君の云うリズムとは講談、浪花節、都々逸等伝統的な日本語の「七五調」のリズムにも通じるのかも知れない。
まずは大胆な仮説を立て、それを証明するために資料を駆使するのがS君の得意技だから、その成果を期待して待つことにしよう。

俳句と映像からの連想で最近よく見るテレビ番組『ドキュメント72時間』(NHK)がある。
ある場所にカメラを持ち込み三日間ただじっと定点観測するだけなのだが、これぞ「テレビの俳句」ではないかと思っている。
何も狙わず、何も語らず、ただ事実のみに語らせる俳句で言う「写生」に徹した潔さが気持ちいい。

テレビドのキュメンタリーでは「ザ・ノンフィクション」(東海テレビCX)もあり、村木良彦、萩元晴彦、テレビマンユニオン等の名前を想起させられ懐かしい気持ちになるが、今はテレ東が発掘した「素人ふれあいもの」に敵わないと思う。
酔っぱらいの家までついて行って人生ドラマを見つめたり、昼飯を追いかけて日本人の食文化に迫ったり・・・その究極が特番の『池の水ぜんぶ抜く』シリーズ。
この企画がどこへ向かうのか『木島則夫ハプニングショー』で挫折した行方を見せて欲しいと思っている。



[PR]
# by kcat46 | 2017-11-03 19:32 | Comments(1)